こんにちは。SHIROで企画をしている鵜飼です。私は主にフレグランス製品の企画を行っております。
先日ついに、新しくなるサボン、ホワイトリリーの香料が決まったことをリリースでお伝えさせていただきました。
皆さんは香りを試していただきましたか?
入社以来一番頭を悩ませ、緊張と期待で胸がいっぱいになったサボン、ホワイトリリーの香料の検討。今回はどのように考え、こだわったのかお伝えしたいと思います。
私が入社したのは昨年の夏。入社したときには国際機関による規制で、SHIRO人気のサボン、ホワイトリリーの香料を変更しなければならないと決まっていました。そして、何度か試作を繰り返し、今までの香りに近づけようと試行錯誤しているタイミングでした。
そして前職で香りづくりをしていた私に突然この香りを決めるという大きな役割を任されたのです。
そうして始まった香りづくりは当初、今のサボン、ホワイトリリーと香りを近づけることを目標に進めていました。しかしあと一歩のところでどうしても完全に同じにはならず、より素敵な香りにしようと試作を必死に繰り返しました。香りに慣れてくると、それぞれの香りに個性を求めるようになってきて、様々なパターンのサボン、ホワイトリリーの香りを模索しましたが、中々しっくりくるものはありません。この時私は目指す方向を見失ってしまっていたのです。
今まで香りをつくるときは、いつも頭の中で理想の香りをイメージしてつくるのですが、今回の香りはたくさんのお客様に長い間使っていただいた香り。私の”好き”という気持ちだけで決めて良いのかと悩み、社内でも何度も相談をしていました。
そんな中で向き合ったのはお客様からいただいた声でした。昨年いただいた「SHIROあの日のサボン」に寄せられたサボンとの思い出。今回の香料変更にあたってお客様からいただいた、サボンとホワイトリリーの好きなところ、出会い。香りだけではなくて、使ってくれるお客様や、使うシーン、初めて出会ったときの気持ちにも向き合うきっかけとなり、おのずと方向性が見えてきたのです。
2つの香りには、たくさんの方々の毎日があることを実感し、プレッシャーと共に背中を押されるような気持ちになったことを覚えています。家族がかけてくれる声でやる気が湧き出てくるように、皆さんのお声が私のつくる香りとの生活を想像させてくれ、頑張ろうと思えたのです。
そこからこだわったのは、サボン、ホワイトリリーの好きなところとその香りらしさです。
サボンは爽やかさと甘さ、そしてそれらをまとめてくれる優しいまろやかさが特長です。人はなじみのない香りを苦手と感じる人が多いと言います。一方でなじみのある香りだけで構成された香りは若干チープに感じさせてしまいます。
サボンでは、シトラスの爽やかさと、後に残る甘さが共存する複雑さが魅力だと考えました。そこで、トップのシトラスには甘さのあるオレンジを加え、後半の甘さには深みを意識したバランスにしました。皆さんの好きと言っていただいた声が、何を引き立たせば良いのか教えてくれたのです。
ホワイトリリーでは、どんな方向でまとめるべきかが一番の難題でした。華やかさやグリーンっぽさなど少し個性を出した香りをつくってみたのですが、社内アンケートでも、好みが半々で意見が割れてしまうのです。
そこで考えたホワイトリリーらしさとは、上品だけど、清潔感も兼ね備えたフローラルな香り。そこに必要だったのは上品だけどみずみずしさもあるマグノリアの香りでした。そしてやはりキーポイントになるのはリリーの香りです。これらのバランスを何度も検討してできた香りからは、たくさんのリリーの中に、優しいローズやマグノリアなどの白い花々が混ざる上品で清楚な花束をイメージすることができます。
改めて振り返ってみると、お客様の声が香りの目指すべき方向を教えてくれたと実感できます。さらに、焦っていた私を支えてくれたのは、香りを大切に思ってくださるお客様の声でした。本当にありがとうございます。
そして今、元々の香りを目指していた頃には出会えなかった、もっとサボンらしく、もっとホワイトリリーらしい香りをつくることができました。サボンの香りと初めて出会った日のときめき、ホワイトリリーのつくる憧れの雰囲気を存分に表現した香りです。この香りを届ける日ももうすぐ。緊張と共に楽しみな気持ちでこのリリースを迎えることができました。
これから皆さんとつくる未来を彩る存在になることを祈っています。