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2022/11/12

<SHIRO STAFF コラム vol.70>
香りを試すとき、何を使いますか?

皆さんこんにちは。
既にお店で見たことがあるかもしれない、あるツールについてお話したいと思います。

皆さんはお店で香りの製品を試すときに、香りをお試しする紙(ムエット)を使ったことがありますか?実は、フレグランスを購入していただく方の多いSHIROでは、年間700万枚以上のムエットが消費されています。

色々な種類の香りから、自分の欲しい香りを試すために使うこのムエット。試した後持ち帰る人もいれば、その場で置いて帰る人もいますよね?

ムエットの用途は、香りをその場でお試しするためのものと、自宅で改めて香りを試し、購入を検討するものだと考えています。持って帰ってくださる方の中には気に入ったムエットをお財布やカバンに入れて、香りを楽しんでいただいている方もいるかもしれません。
鞄に入れっぱなしにしていたムエットからふわりと香りが広がり、ほんの少ししあわせをもたらしてくれることもあります。

しかし、店頭で香りをお試しするためのほんの数分のために、捨てられる紙を生み出す必要はありません。捨てられるムエットを少しでも減らすために、何度でも使える香りを試す方法を模索するようになりました。

検討を始めた当初はガラスや陶器、金属などでこの香りを試すツールをつくろうとしていました。これらのツールは求めている課題は解決できるものの、素材や強度、そしてSHIROらしさを考えて、なかなか決められない状況にありました。そんな中で出会ったのが札幌軟石という素材です。

札幌軟石は、大規模な噴火による火砕流が固まった石で、キメが細かく、適当な堅さと、切り出しやすい柔らかさを併せ持ちます。香りをつけるとその柔らかさから、PERFUMEが染み込みやすく、香りの持続性もあることから、出会ってすぐにこの石を使うことに決めました。
さらにその素材の性質、そしてSHIRO PERFUMEをお店で展開している什器には石を使用していることから、お店の雰囲気もマッチしているのです。

今回つくったのは、この札幌軟石を小さな円柱状に切り出した香りを試すツール。実は、石材として使用するために切り出した石の端材からつくっています。
捨てられる素材を余すことなく使いたいというSHIROのものづくりの考え。この想いを深く知るMist-oの池内さんが、今回のツールのデザインをしてくださいました。(実は池内さんはSHIRO PERFUMEのデザインもしてくれています。)そして、創業の地、北海道から札幌軟石を採集、加工してくださった河野さん、小原さんの力で、皆さんの手に届けられたのです。

ようやく店に並び、覗いてみると、お客様が当たり前のようにこのツールを使っている姿が。
未来のためのことを考えるとき、何かを我慢する必要はないと知りました。必要のないものを変える。そんな取り組みを考える中で、また新たな出会いや、私たちの想いを伝える方法が見つけられるのかもしれません。

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